一般社団法人 日本肝胆膵外科学会

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高度技能専門医とは

更新日時:2017年3月23日

肝胆膵外科手術は、消化器外科手術の中で、特に難易度が高いといわれています。この難しい手術を安全に、かつ確実に行うことのできる外科医を育てるために、日本肝胆膵外科学会は、この高度技能専門医制度を2008年より始めました。

高度技能専門医の資格を得るには、まず、消化器外科専門医の資格*1を持っていること、日本肝胆膵外科学会が認定した修練施設*2で3年以上の修練期間を有すること、そこで高度技能指導医*3に直接指導を受け、高難度肝胆膵外科手術*4の経験を積み、認定基準に定められた手術実績数*5を持つこと、また学会の行う教育セミナーの受講が必要です。書類審査では、手術記録も厳正にチェックされ、適正に高難度手術を遂行できているかを審査されます。そのうえで、自らが行った高難度肝胆膵手術の無編集ビデオを提出し、安全かつ適切に主体性をもって手術を遂行しているかをビデオで審査を受け、これら2つの審査を通過した医師だけが高度技能専門医になれます。

(*1)消化器外科専門医の資格
消化器外科専門医になるためには、まず初めに、外科専門医となることが必要です。外科専門医になるためには、5年以上学会が指定する施設で修練し、一般外科手術症例350例(うち120例以上は術者)を経験することが必要です。そのうえで、筆記試験と面接試験に合格すると外科専門医になれます。引き続き、消化器外科専門医になるためには、臨床研修終了後5年以上(卒後9年以上)指定修練施設において修練を行い、450例(うち100例以上は術者)の消化器外科診療経験を有すること、消化器外科に関する研究発表を6件以上(論文3件を含む)有し、学会参加と教育セミナーを受講していることで申請資格を得られます。その後、筆記試験を受け、合格したものが消化器外科専門医となれます。

(*2)修練施設とは?
日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設に認定されており、かつ高度技能指導医あるいは高度技能専門医が1名以上常勤している病院のうち、1年間に高難度肝胆膵外科手術を50例以上行っている施設を修練施設(A)、30例以上行っている施設を修練施設(B)としています。2016年12月現在、日本全国に修練施設(A)が111施設、修練施設(B)が106施設存在します。

(*3) 高度技能指導医とは?
消化器外科専門医または指導医の資格をもち、肝胆膵外科診療に指導的立場で従事し、高難度肝胆膵外科手術を100例以上行った経験を持っています(指導的助手も含む)。2016年12月現在、日本全国に640名の高度技能指導医がおります。

(*4) 高難度肝胆膵外科手術とは、
日本肝胆膵外科学会が定める術式で、比較的簡単な肝胆膵手術(肝部分切除、肝外側区域切除、良性に対する膵体尾部切除術など)は含まれていません。

(*5) 高度技能専門医申請のための手術実績数は?
高難度肝胆膵外科手術50例以上を、修練施設において高度技能指導医または高度技能専門医の指導の下で術者として行います。術者としての経験50例以外に、第一助手として高難度肝胆道手術5例、かつ高難度膵臓手術5例以上の経験を必要としています。

高度技能認定医者数の推移
高度技能認定医者数の推移

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